借金の返済が困難になりました
私は40歳の会社員です。月給約25万円、家賃月8万円の賃貸マンションに住んでいます。遊びや飲み、パチンコが好きで借金してしまい、返済に充てるため新たな借り入れを繰り返し、現在約500万円の借金があります。毎月の支払いが大変なのですが、どうしたらいいでしょうか?
回答者: 弁護士 本間 耕三
個人の債務整理には、主に①任意整理、②個人再生手続、③破産手続の三つの方法があります。
①任意整理は、消費者金融などの債権者との間の交渉で分割弁済等の条件を合意で定めて債務を整理する方法です。遅延利息を除いた債務を3年から5年で分割返済する内容で合意に至るケースが多いです。ご質問の事例だと、500万円を3年間で分割返済となると毎月約14万円の支払いとなり、この負担が大きければ任意整理は難しいでしょう。
②個人再生手続は、債務者が立案して裁判所が認可をした再生計画に従って返済する手続です。将来的に継続的かつ反復的な収入が見込める場合に利用できます。再生計画で返済する金額は、債務の額や債務者の給与額に応じて、一定の基準を下回ることができませんが、大幅に債務を圧縮できる可能性があり、ご相談の事例だと、債務額を100万円程度にまで圧縮できるかもしれません。住宅ローンの残っている不動産をお持ちの場合に、これを処分しないで債務額を圧縮して返済を続けようとする場合に利用価値が高いです。無理なく支払いを続けられそうであれば、個人再生を考えてもよいでしょう。
③破産手続は、基本的に全ての財産を清算して債権者に配当する手続で、不動産等の資産は処分しなければなりません。債務をゼロにするための免責手続も一緒に行われますが、浪費や賭博などによって借金が膨らんだ場合には免責が認められないこともあります。ご相談の事例だと、不動産等の資産はないので個人再生を選ぶメリットはあまりなさそうです。借金の原因に遊興費やパチンコがある点は免責手続でマイナスの事情とされるでしょうが、裁判所の裁量で免責される可能性もありますので、破産手続を積極的に検討してみるとよいでしょう。
(2024年5月記)
「借金の返済」に関する取扱事件