事件紹介
埼京線痴漢えん 罪事件、東京高裁で逆転無罪判決!
電車内で痴漢行為をしたとして、1審で罰金刑となっていた事件で、3月24日、東京高裁は逆転無罪判決を言い渡しました。
被告人とされた石田崇さん(47歳)は、2012年11月18日、埼京線を走行中の電車内で、突然、女性(当時17歳)に胸ぐらをつかまれ、「ふざけるんじゃねえ、お前、痴漢だろ。」などと言われ、現行犯逮捕されました。その後も取り調べのための身体拘束が続き、起訴された後、ようやく保釈金を積んで釈放されたのは、年も押し迫った12月25日のことでした。その間、石田さんは一貫して無実を主張していましたが、取り調べで検察官からは、「やってないならやってない証拠を示して」などと言われる状況でした。
東京地裁は、「手首、腕、肩、顔と確認した」という「被害者」の証言を全面的に信用し、「注意深く観察したもの」だとして、有罪判決(罰金30万円)を言い渡しました。
高裁判決は、電車内に設置されていた車内カメラの映像をよく見れば、「被害者」がいう「手首、腕、肩、顔と確認した」という動作は確認できないこと、うつむいたままで左太ももの後ろ側に触れる手首を確認することは不可能であること、裁判所での「被害者」の証言が、捜査段階で検察官に話した内容と全く違うものに変化してしまっていることなどを指摘し、「被害者」の証言を信用することができないとしました。「被害者」は、石田さんが犯人であると思い込んで捕まえたものだとして、人違いの可能性も示唆しています。
当事務所の山添拓弁護士、加藤健次弁護士、坂本雅弥弁護士が担当しました。