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語学学校の倒産に対する受講生の法的手段

語学学校の倒産に対する受講生の法的手段

通っていた駅前の英会話学校が突然閉鎖されました。倒産らしいのですが、前払いした授業料を返してもらえますか。クレジットで支払っている場合はどうすればよいですか。

回答

回答者: 弁護士 中川 勝之


倒産後は授業が受けられないわけですから、受けられない授業に相当する授業料を返還してもらう権利はあります。しかし、例えば倒産手続のうち破産の場合、英会話学校から直接返還してもらうことは出来ません。 破産手続では裁判所が選任した破産管財人が資産を換金して債権者に対する配当を行なうことになりますので、まずは、裁判所に授業料相当額を債権として届け出ることになります。

但し、債権の届け出をしても、英会話学校に残っている財産から担保をつけられた財産が除かれ、そこから税金、英会話学校の従業員の未払い賃金などが支払われた後に支払われることになります。

ですので、実際に前払いした授業料を返還してもらうことは難しい場合が多いでしょう。

ちなみに、すでに中途解約の手続をしていても、やはり英会話学校が破産などの手続外で解約金を払うことは禁止されますので、上記と同じ事になります。

クレジットで支払っていた場合
英会話学校の授業が受けられないという理由でクレジットでの支払を拒むことが出来ます。これが支払停止の抗弁といわれるものです(割賦販売法30条の4)。本来、受講生が英会話学校に授業料を払って授業を受ける契約と、受講生とクレジット会社との立替払契約は別の契約ですから、英会話学校の授業が受けられなくても、それを理由にクレジットの支払を拒むことは出来ないと考えるのが契約の原則です。しかし、消費者保護のため支払停止の抗弁が認められました。

支払い停止の抗弁を主張するには、クレジット会社に支払停止の抗弁書という書面を送る必要があります。用紙はクレジット会社の支店にあるほか、日本クレジット協会のホームページからダウンロードも出来ます。書いた抗弁書は写しを取り、配達証明郵便などで送って大切に保存しておいてください。

なお、クレジットの支払回数が1回又は2回の場合、授業料に手数料を加えた金額が4万円未満の場合などには支払停止の抗弁が認められませんので注意が必要です。

また、クレジット会社が自主的に引き落とし手続を停止することもありますが、あくまで自主的なものですので、支払停止の抗弁書を提出する方が確実です。

(2008年1月記)

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