事件紹介
小部弁護士、中川弁護士、青龍弁護士が担当している江戸川動物園不当配転事件、東京地裁で勝訴
小部弁護士、中川弁護士、青龍弁護士が担当している江戸川動物園不当配転事件で、11月26日、東京地裁で原告全員の配転を無効とする全面勝訴判決がでました。以下に声明をご紹介します。
えどがわ環境財団の不当配転を違法・無効と断罪した
東京地方裁判所判決(11/26言渡)についての声明
2014年11月26日
東京公務公共一般労働組合
同江戸川動物園分会
同弁護団
1
本日、東京地方裁判所民事第36部(松山昇平裁判官)は、平成25年(ワ)18217号配転命令無効確認等請求事件(東京公務公共一般労働組合(以下「組合」という。)の組合員2名(分会長及び副分会長)が原告、公益財団法人えどがわ環境財団(以下「財団」という。)が被告)において、組合員2名が平成24年4月1日付配転命令により配転された就労先において勤務する義務がないことを確認するとの判決を下した。
既に東京都労働委員会は本年8月5日付(同年9月4日交付)で、本件配転命令及びそれに関する不誠実団交を不当労働行為と判断して原職復帰の救済命令を発していたが、都労委命令に引き続き、財団による組合員2名に対する本件配転命令の違法・無効が二度断罪されたことになる。
我々は、本判決が本件配転命令を違法・無効と判断したことを極めて正当なものとして高く評価し、歓迎する。
2
本件は、財団が運営する江戸川区立自然動物園においてパワハラ等の問題を起こしていた動物飼育員を財団に告発し、組合に加入した動物飼育員の組合員のうち、1名が事務職(みどりの推進係)に、1名が別の動物施設(篠崎ポニーランド)にそれぞれ配転された事件である。組合は組合員の配転問題やパワハラその他の問題について財団と団体交渉を行ったが、財団は本件配転命令を撤回しないばかりか、本件配転の業務上の必要性すら何ら具体的に説明しなかった。
本判決は、被告による分会長の本件配転が平成22年から計画されていた、本件配転は人間関係と職場環境の改善を目的としていた等の主張を排斥し、そもそも本件配転命令は業務上の必要性を欠くと判断したものであって画期的である。
3 不当配転された組合員2名のうち、1名は正規職員であるが、1名は同じ動物飼育員という基幹的・恒常的業務に従事する職員でありながら、5年間の有期労働契約とされている。組合は、5年間の有期労働契約の問題も含め、要求実現のため財団と団体交渉を行っており、住居手当も獲得したが、財団は組合員の配転問題については解決する姿勢を見せようとしない。
財団は東京都労働委員会の救済命令を受けて、中央労働委員会に対して再審査申立をして事件の引き延ばしを図ろうとしているが、本判決により本件配転命令の違法・無効は誰の目にも明らかになったというべきである。
我々は、財団に対し、本判決を真摯に受け止めて控訴することなく、直ちに組合員2名を江戸川区立自然動物園に復帰させて配転問題を全面解決するよう強く求めるものである。
以上