事件紹介
東京メトロ子会社 非正規労働者の賃金格差 労働契約法20条違反で提訴
東京メトロの100%子会社であるメトロコマース株式会社は、東京メトロの駅構内にある売店「メトロス」を運営しています。この売店で働く労働者は、正社員、契約社員A、契約社員Bの3種類に分かれていますが、商品の販売、発注、返品、客への案内など皆全く同じ仕事をしています。しかし、契約社員Bは、正社員と比べて賃金などの労働条件で大きな格差がつけられています。
原告らはいずれも非正規労働者の契約社員Bとして3か月〜1年の期間の定めのある労働契約を約10年間繰り返し更新してきました。給料は時給制で、正社員に支給される住宅手当等はなく、賞与もわずかであり、退職金も支払われません。
この訴訟では、これらの正社員との差別について、労働契約法20条および民法90条を根拠に、損害賠償を請求するものです。
有期契約を理由に正社員との間に不合理な労働条件の格差を設けることを禁じた改正労働契約法(2013年4月施行)を根拠とした全国で初めての裁判です。非正規労働者の労働条件の改善、正規労働者との格差是正に向けて、大きな意義のある裁判として当事務所で多くの弁護士が取り組んでいます。ぜひご注目ください。
(担当弁護士 滝沢香、青龍美和子、今野久子、井上幸夫、水口洋介、長谷川悠美)